2018年12月13日木曜日

銀座の名店ピルゼンの思い出

昔、銀座にピルゼンというビールのお店があって、そのお店の雰囲気とおいしいビール、
珍しいロシアの料理を目当てに通うファンが多かったそうだ。
私の父もその一人でよく通っていたらしい。
お店にはロシア人のピアノ弾きがいて、父が結婚して、
母を連れて行った時には結婚行進曲を弾いて祝福してくれたそうだ。
私もかなり小さい時分から連れて行かれたと思う。
うろ覚えで間違っているかもしれないがお店の前に来ると大きなビールのタルがおいてあって
「ああ、またこのお店に来たんだ」と思ったものだ。
ビールは飲めないので、ピロシキやボルシチなど食べさせてもらっていたのだろうか。
ある時ピアノ弾きのおじさんが私においでおいでをするのでピアノのところに行くと、
この曲知っている?というのでうなづくと、私は大勢のお客様の前で大きな声で歌った。
たぶん3~4歳あるいは5歳くらいの子が知っている歌といえばちょうちょうかチューリッ
プかなと思ったおじさんはその曲を私にリクエストした。
とにかく私はちょうちょうかチューリップを一生懸命歌って拍手喝采というお話だ。
20歳の頃に父と行った時にはその方はもう亡くなられていた。
冬、このお店に来る人がこのお店を本当に愛しているんだと父がポツリと言った。
老朽化のため、2001年9月20日 惜しまれつつ閉店した。 


子供の頃TVで「野ばら」という映画を観てひどく感動して涙が止まらなかった
そのとき、たぶんシューベルトのアヴェ・マリアが流れていたのだが
女性ソロは誰がうたっていたのだろうか。天上から響いてくる祈りのような清らかで美しい声だった。

こちらはマリア・カラスでお聴きください。



2 件のコメント:

  1. 銀座の名店ピルゼンの思い出・・・かわいい女の子が元気に歌を歌っている姿、お店の様子やピアニストの叔父さん、お客さんやお父様お母様の姿まで目に浮かぶようです。素敵なお店だったんですね。読んでいてほっこりして、そして切なくもなりました。

    シューベルトのアヴェ・マリア、切々した祈りの情感に満ちた本当に素晴らしい曲だと思います。聴いていて目頭が熱くなりますね。
    素敵な演奏の紹介、ありがとうございました。

    大堀様は、体調はいかがですか?すっかり寒くなりましたね。くれぐれもご無理なさいませんように、お身体に気を付けてお過ごしくださいませ。

    北の音人

    返信削除
    返信
    1. 音声入力で失礼いたします
      温かいコメントをどうもありがとうございました 音人 さんの文章は 綺麗な色が付いている様ですね

      3月に 失望する出来事があって少し落ち込んでいました 今は大丈夫です

      音人さん のブログで モーツァルトピアノソナタ 第18番 第2楽章 いい曲ですね
      作曲者と演奏者の 心を深く汲み取った 分かりやすい説明が いつもながら素晴らしい と思っています あーそういう風に聴くんだと とても勉強になっています どうも有難うございます

      病院が変わられたりお住まいも変わられたり 通勤も 長くなったりして 大変ですね これからますます 寒くなりますし 案じております
      お父様のこともお祈りしております

      削除